ずばり、健康はより良く生きるための“手段”。勘ちがいされがちだけど、“目的”じゃない。
生命とは、先にレポートしたとおり、肉体+魂+精神+感覚器官の融合体です。それらを良い状態に保つことが、アーユルヴェーダにおける“健康”の定義です。これから、健康を大きく2つのパート、つまり肉体と概念に分けてまとめていきます。まず、サマから!
■肉体(サマ)
肉体(=形あるものって解釈)を構成する要素は全部で4つ。
1.バランスがとれたドーシャ(生体エネルギー)
アーユルヴェーダといえばお馴染みの、これ。ヴァータ+ピッタ+カパ。それぞれ異なった役割や性質をもち、人はこの3つのエネルギーに支配されています。この3つのバランスは人によって違いますが、その配分がその人の“体質”です。これが本来から偏ったときに、健康が崩れます。
2. バランスがとれたダーハトゥ(体組織の7要素)
ラーサ(細胞/栄養のかたまり) →ラクタ(赤血球/血液組織) →マムサ(骨格筋/筋力組織)→アスティ(骨組織) →マッジャ(骨髄) →シュクラ(生殖組織)
つまり、体を作っていく過程であり経路。この流れが詰まってしまったときに病気になります。健康な自分が辿り着くのが、自分を超えた次の生命(生殖組織)ってことになるのかな?神秘的。
3. バランスがとれたアグニ(消化力・代謝力)
このアグニが、ダーハトゥを良く変化させます。アグニは3種あって、ジャータラアグニ(胃の消化力)と、ブーターアグニ(細胞の中にあるものを変化させる)と、ダーハトゥアグニ(体の7つの構成を変化させる)。やっぱり胃が単独でカテ分けされてる!それだけ重要視されているってことね。そういえば、アーユルヴェーダの診療科のひとつである内科(カーヤ チキッツァ)が主に診るのも、やっぱり、胃。 そして白湯は、このアグニを上げるのに有効です。
4. 正常に排泄されたマラ(排泄物質)
これは、あたりまえ。デトックス。汗、尿、便でいらないものを身体から出します。でもその前に、何がいるのかいらないのか?きちんと検品してもらわないと困る。良い排泄にも、やっぱり消化力が影響しているのだと思います。
次に、魂+精神+感覚器官。目に見えないから?概念と解釈。
■概念(プラーナ)
1. 汚れのないアートマ(魂)
2. 汚れのないマナス(精神)
3. 汚れのないインドリヤ(感覚)
要は、人としてあるべき道を、美しく、よく感じて生きなさいってことなんだと思います。魂は普遍的、絶対的だけど、精神と感覚は訓練によってコントロールできる。ここでも、“ヤマ(禁戒:しちゃいけないこと)”と、“ニヤマ(勧戒:したほうがよいこと)”がきちんと定義されているんです。このヤマ&ニヤマがとても興味深い!そして案外、実践が難しい。現代社会の中で生きる現代っ子は、なおさらね。私自身、思うことが沢山あるので、ヤマ&ニヤマコーナーは別に作ります。後日、ゆっくり^^
ここまでが、アーユルヴェーダにおける健康の定義です。健康とは、バランスが取れたサマと、正常なマラ、汚れないプラーナが保たれている事です。
最初に、健康は目的ではなく手段だって書きました。じゃあ何のために?目指すのは、モークシャ=悟りと解脱の世界です。モークシャに辿りつくことで、人は他人との区別をなくし、一体であると感じ、孤独や苦しみから解放されて“サットヴァ=至福”を感じるのだそうです。その道を全うさせるためには健康であることが必須。より良く生きなければならないんです。
ひとつ、例えば身体が病気になってしまったら。不安や痛みで心は壊れそうになります。そのストレスは絶対に身体に返ってくる。この相互関係は忘れちゃだめ。意識して、ゆっくりと病気に向き合わなきゃね!
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